「多汗症は生まれ持った体質か精神的なものだから、食事は関係ないよね」
このようにお思いの方も多いのではないでしょうか。
確かに、食事療法だけで多汗症を完治させることは困難です。しかし、食生活に気を付けることで、多汗症の症状を緩和させることは可能です。
多汗症は、主に自律神経のバランスが乱れることによって起こります。副交感神経に対して交感神経が過剰に働いてしまうことで、発汗が促されるのです。
交感神経を刺激して活発にしてしまう食べ物を避け、反対に副交感神経の働きを促す食べ物を意識的に摂取することで、多汗症の症状を抑えることができます。
多汗症の方にとって避けた方がよい食べ物と、おすすめの食べ物をいくつかご紹介いたします。
辛い物を食べたら汗が出たという経験は、多汗症にお悩みの方でなくても、身に覚えのある方も多いのではないでしょうか。
辛い物や酸っぱいものといった刺激の強い食事は、交感神経の働きを活発にし、発汗を促す働きがあります。
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コーヒーやお茶に多く含まれるカフェインにも、交感神経をを活発にする働きがあります。
カフェインの作用としてよく知られる眠気覚ましは、交感神経を刺激することによる効果なのです。
ただし、ホッと一息入れたいリラックスタイムにコーヒーやお茶を飲むという方も多いことでしょう。
カフェインには、交感神経を刺激し発汗を促す効果があると同時に、ストレス解消・リラックスの効果もあると言われています。
精神的なストレスは多汗症にとって最大の敵。無理に制限しようするのではなく、飲みすぎに注意しながら適量を守って楽しむことをおすすめします。
肉や脂肪、油分にも、汗の量を増やしてしまう効果があります。
それだけでなく、肉類や脂肪分の多い食生活は、汗の臭いを悪化させる原因にもなってしまいます。
汗の量だけでなく臭いも気になる、わきが体質であるという方は、特に注意が必要です。
納豆や豆腐をはじめとする大豆製品に多く含まれるイソフラボンは、多汗症の症状に対して効果的な成分です。
イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをすることが知られています。この女性ホルモンは、発汗を抑制する効果があります。
自律神経のバランスを整える働きもありますので、多汗症の方にとってはぴったりの食べ物と言えるでしょう。
先にも述べた通り、多汗症の最大の敵はストレス。リラックス効果のあるハーブティーは、多汗症の症状の緩和に効果があります。
副交感神経の働きを促し、交感神経を抑制して発汗を抑える効果が期待できます。
ハーブにも様々な種類がありますが、特にリラックス効果の高いラベンダーやカモミール、ジャスミンなどがおすすめ。
また、ハーブティーにして飲むだけでなく、ポプリやアロマオイルから香りを楽しむことも効果があります。「ハーブティーの独特の苦みが苦手…」という方も、ご自身に合う形でハーブを取り入れてみてください。
多汗症にNGな食べ物、多汗症におすすめの食べ物についてご紹介しましたが、バランスの良い食生活は健康の基本です。
多汗症の症状に効果があるからと言って、特定のものばかりを食べるような偏った食生活では、逆に自律神経やホルモンのバランスを乱して、多汗症を悪化させてしまいます。
多汗症の症状を抑える効果がある食べ物をうまく生活に取り入れつつ、バランスのとれた食生活を心掛けましょう。